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妊娠中、特に出産前の産休まで働いて産後はゆっくり育児に専念しようと思って退職される方もいらっしゃるかもしれません。
とはいっても、退職後にいったいどんな支出があるのか把握できていないと、
「こんなはずじゃなかった・・・」「育休を取って働けば良かった・・・」と思ってしまっては育児も辛くなってしまいます。
そうならないためにも退職後の出費や必要なことをあらかじめ準備をしておきましょう。
退職後はどんな出費がある?
1)健康保険
まず、一番に考えておくべきなのが、健康保険についてです。
産休・育休期間中は健康保険料が免除となって支払わずに済みますが、退職となればそうはいかず、負担しなければならない場合もあります。
基本的に、退職となった場合は夫の健康保険の扶養に入ることになります。
扶養に入るためには収入が130万円超えてはいけないという縛りはありますが、これはその年の収入が130万円を超えないようにというものではなく、退職後からその年の12月までの収入が130万円を超えない場合という意味なので、よほど不労所得があるという状況でなければ産前の退職の場合はクリアできると思います。
そして、扶養に入れば保険料の負担はなくなります。
ただし、出産手当はもらえなくなるのでその分収入はなくなってしまいます。
もう一つは任意継続という方法です。
任意継続とは自身の会社で加入していた健康保険組合の保険を退職後も継続するということで、退職後2年間継続することができます。(2年間やめることはできない)
ただし、保険料は働いているときは労使折半で5割負担だったのですが、退職翌日から10割負担になるので、給料明細に載っている保険料が倍の金額になるということになります。しかも、その保険料は2年間変わりません。
それでも出産手当を受け取ることができたり、付加給付を受けられるなどといったメリットがあるので、保険料と出産手当の金額を比べてどちらが得なのか考えるといいでしょう。
早めの復職を考えている場合は任意継続をした方がお得になることもあります。
そして扶養に入れず、国民健康保険を選択する場合、
私のようにシングルマザーでしたら扶養人数によっては任意継続よりも保険料が高くなる場合がありますので、シュミレーションサイトや自治体の窓口で確認してみるといいでしょう。
2)年金保険
働いている間は年金保険は厚生年金となり、国民年金に上乗せで保険料を払っているので、厚生年金を払った期間分年金の受給額も増えます。
しかし、退職すると国民年金になってしまうので年金受給額は少なくなってしまいます。
そして働いている間は年金も労使折半で、産休・育休中は保険料の負担が免除されます。
夫の扶養に入る方も保険料の負担はありませんが、扶養に入れない方は退職後から国民年金を自分で支払うことになるので負担が増えることもあります。
3)住民税
住民税は前年度所得から計算されたものなので、基本的に支払う義務があるんです。
在職中は特別徴収といって毎月給料から天引きされていましたが、退職後は普通徴収となり4回に分割されて支払うことになるので1回の支払金額が高くなってしまいます。
収入がない状況で、1回5万近くも払うのは結構な負担に感じますよね・・・。
4)所得税
産休・育休中も年末調整があるので、払いすぎた税金は戻ってきます。
しかし、退職してしまうと年末調整がなくなるので自分で確定申告や還付申告をしなければ税金が戻ってきません。
これを忘れてしまうと税金を払いすぎたままになってしまうので、もらった源泉徴収票とともに確定申告を忘れないようにしましょう。
5)減免制度
国民健康保険や国民年金、住民税はお住まいの市区町村によっては収入が大幅に減った場合、減免や免除などの制度を設けている場合があるので、減免制度があるのかやその条件など確認しておくと良いでしょう。
払ったものは後から払い戻すことはできないので、事前に申請する必要があります。
この制度は自治体によって条件が違うことがあるので、お住まいの自治体の窓口で相談しましょう。
いつ、どのタイミングで辞めるのか計画を立てましょう
私の場合、出産予定日は5月24日で反復帝王切開だったので予定日の2週間前に手術と決まっていました。
産休は4月13日からだったので、産休は丸ごととれるようにと産休前に週休と有給を使った形になりました。
そうなると産休期間中は無給になるので、給料は12日分のみです。
有給も全て消化することはできないと会社から言われていたので、未消化の有給は結構残っていたんです・・・。
この選択がのちのち後悔しました。
産休分は無給になるので、4月は給料が半分以上カットされた状態で、社会保険料・住民税(4月分と5月分)などがしっかり引かれたのでマイナス明細になりました。(住民税は退職時期によっては数ヶ月分まとめて支払わなければならない場合があります)
お給料ではなく、逆に請求されて、職場に払いに行きました。
4月は産前休暇を減らして、有給を取る期間を増やしていればいつもどおりのお給料が貰えていたわけです。
図:有給休暇と産休の取り方の違い 執筆者作成
さらに退職金も、もらえるまでは2ヶ月くらいかかり、出産手当も分割請求することをすっかり忘れていたのでお金がない期間が続きカード破産してしまうんじゃないかと思った時期がありました・・・。
出産手当金も請求後からもらえるまでは2カ月くらいかかりました。
そうならないためにも
・産休休暇をいつからに設定するのか(有休の使い方など)
・どのタイミングでお金が必要になるか
・いつ手当などがもらえるのか
退職を決めるときにはしっかり考えておきましょう。
退職後の失業保険
ちなみに、雇用保険に入っていた方は退職して、その後復職を考えたときに失業手当をもらうことができる場合があります。
そのためには妊娠・出産によって退職した場合は、すぐに再就職できない(産休中、産後は働けない期間となる)ため、受給期間(受給できる資格がある期間)を延長する手続きが必要になります。
受給期間延長手続きは必要?
この手続きをすると、通常1年の受給期間が最大4年間になり、失業給付をもらえる猶予期間が拡大します。
なので、すぐに働くつもりがなくても、4年間のうちに働きたいと思う可能性もあるので、できれば手続きをしておいた方が良いでしょう。
今までは手続きは退職後30日が過ぎてから、その後1ヶ月間で延長申請手続きが必要でしたが、平成29年4月からは延長できる受給期間内まででしたら手続きができるようになりました!
受給期間延長手続きの書類は基本的にはハローワークで行いますが、郵送での手続きも可能です。
ハローワークに行けない場合は、「受給期間延長申請書」をハローワークから郵送で送ってもらい、必要事項を書いて郵送すれば手続きができるようです。
妊娠中や出産後間もないときは中々出歩けないので、郵送で手続きができるのであればありがたいですよね。
どんな手当がもらえる?
そして、いざ就職活動をしたときに失業手当の「基本手当」を受け取ることができ、早く就職できた場合は「再就職手当」、再就職後6ヶ月が経過して以前の職場よりも給料が下がった場合には「就業定着手当」が受け取れる場合があります。
基本手当を満額受け取った方が失業保険からもらえる金額は多くなりますが、早く就職すると給料+手当がもらえるので生活はより安定します。
まとめ
・退職後も支払らい続けなければならないものがあるので、どれくらいの金額になるのか把握しておきましょう
・国民健康保険・国民年金・住民税は自治体によっては減免制度などを受けられる場合があるので窓口で相談してみましょう
・復職を考えたときには、失業保険から手当金をもらうことができるので、受給期間延長申請をしましょう
働いているときはたくさんの保険料を払ってきているので、
もらえるものはもらっておきたいですね。
減免制度や手当などは自分で申請をしないとうけられないので、
自治体の窓口に相談するといいでしょう。
退職後は収入が減るだけではなく、引かれるものも多いです。
出産後は特に思い通りに動けないことも多いので、
退職する前にしっかりマネープランをたてて、準備をしておくことをオススメします。
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