来年度から妊婦加算を再開するということで大きく取り上げられていますよね。
その中でも「妊婦加算」という言葉が一人歩きしているように見えるのは私だけでしょうか。

言葉だけ見たら「妊婦ってだけでお金が取られるのか・・・」というイメージを持たれやすいですが、妊婦が損・・・ってわけではないんですよ。ちゃんとした理由があります。

 

「妊婦加算」の目的

妊娠中の場合、かかりつけの産院や産婦人科以外の病院を受診する際は、診療方法だったり検査、薬剤の選択など、配慮した診察が行われているため、通常の診療よりも手間や時間がかかっています。
でもそれは母胎や胎児の安全性を確保するためなんです。

 

なので、そういった「特別な配慮」に対してのサービス料が妊婦加算なのです。

 

しかし、診療報酬の改定でこの妊婦加算が導入されたとき、病院側にも、患者にも細かい説明がなくそれぞれの病院が妊婦だったら加算する、というようになってしまったのが問題だと思います。

例えば、コンタクトレンズの処方は妊婦だろうとなかろうと変わりないのに、加算していた。などです。
そして、私たち国民のあたりまえの意識として、誰もが良質な医療やサービスを受けることができるような感覚になっていることも多いでしょう。

 

でも、その裏で医療従事者側には大きな負担になっていることも事実なのです。
そのため、妊婦への診療をしたくない、という医療機関も実はあったんですよね。

 

 

医療の現場は・・・

医療技術の発達、高齢者社会、サービスの質の重視、すぐに訴えられる社会環境、などなど時代が進むにつれて医療者側の業務も明らかに増えています。

例えば、紙カルテから電子カルテにどんどん移行されていますが、パソコン1つで様々な情報を見れる便利さの裏では、情報が集約されすぎていて逆に必要な情報を厳選して得ることが難しかったりします。パソコンに慣れていないと本当に探すのに時間がかかります。

そして、医療サービスの質を重要視するあまり、記録の量が膨大になっています。約10年前、新人だった頃は検温表と看護記録、看護計画の評価だけでよかった時代でした。

 

今は看護記録だけでも、看護必要度、転倒転落・褥瘡・認知機能・摂食嚥下アセスメント、看護計画や患者さんの状況も週に1回カンファレンスし記録、患者・家族への説明も必ず看護師が同席し詳細に記録、などなど

 

患者さんに関わる以外の業務量が膨大にふくれあがっているということです。
新人で患者16人受け持っていたこともあります。でも今じゃ半分の8人でも厳しいですね。(患者さんの重症度にもよります)

上記内容は看護師目線でのことですが、業務量が増えているのは医師もリハビリも、検査、薬局なども同じ状況なのです。

そのキツさから慢性的な人手不足でさらに負担が大きくなっています。
患者さんの看護をしたいのに、患者さんと関わる以外の業務量が多すぎてゆっくり話を聞けないもどかしさをよく感じていました。

 

 

加算はサービス料

加算されているのは妊婦だけじゃなく、他にも様々な加算があります。
外来管理加算時間外加算乳幼児加算などなど。乳幼児は医療費助成があるので気にならないですよね。

そして、私も金額を見て驚いたことがあったのですが、「特定疾患療養管理料」「特定疾患処方管理加算」というものがあり、同僚と同じ日に診察を受けて、同じ内容の処方をされたのですが、会計が1,000円以上も違ったんですよね。

 

同僚は「気管支喘息」という慢性疾患の診断を受けていて、私はその時「アレルギー性鼻炎」と診断を受け、薬を1カ月分もらいました。

診断が特定の疾患かどうかで、同じ処方内容でも金額が大きく変わるのです。

 

こういった加算もあるため、妊婦だからと言って断られたり、適当な診療をされるよりは、数百円のサービス料で、より慎重な医療を受けられるのなら安いのではないでしょうか。
実際に加算される金額は初診料だと230円、再診料だったら110円でした。

 

医療費が安ければいいわけではありません。
自己負担が少ないことでの問題が、今は重要視されています。

ちょっとしたことでもすぐに病院に行く人が多い、時間外診察や夜間急病センターを日中仕事で行けないからといった理由で受診する人がいる、救急車をタクシー代わりに使う人がいるなど様々なことがあります。

 

熱が出たと言うだけで病院を受診する人多いですよね。小児は特に多いです。
ただ、発熱だけでは診断はつけられないですし、多くは解熱剤を処方されるだけです。嘔吐があれば吐き気止め、下痢があれば整腸剤、鼻水があれば去痰剤・・・が処方されるだけで、ほとんどは対症療法なんです。

子どもの免疫の力、信じてあげましょう。

風邪(ウイルス)での急な発熱なら2~3日がピークです。薬を飲んでも、解熱剤を使っても残念ながらここはかわりません。
解熱剤はあくまでも一時的に熱を下げて上げるだけなので、元気がよかったり、水分・食事が取れる状況ならあえて使う必要はありません。

 

 

知っていますか?日本の社会的支出の割合

日本の社会的支出の約半分は高齢者、1/3は医療費です。
教育費など子ども達への支出は1/10もないんです。

 

 

この問題は妊婦だけの問題ではありません。
医療費の問題をもっと真剣に受け止めてもらいたいと切に思います。
一人一人が受診の仕方を考えることで、国全体の医療費は削減できます。

 

少子化が大きな問題ですよね。
なのでもっともっと子ども達への投資を増やしてもらいたいと思いませんか?
でもその前に、自分たちができることあるのではないでしょうか。

ちょっと厳しい内容になっちゃいましたね・・・
看護師として医療業界は一人一人の力で変えていけると
信じているので、こんな想いも知っておいてほしいなと思いました!